やっと終わった山修行。
無事、45日の常駐期間を終え、下山後、東京、千葉、横浜、名古屋と経由し、帰京。
それぞれ都会の酒を満喫しました。
I podでトムウェイツやマイルスデイビスなどを耳にし、夜の街角でビールを舐めながらタバコをふかしていると自然の中よりも町の喧騒のほうがしっくりくる自分に気付く。
こんだけ自然にかかわる仕事なり活動をしてきたのに、最終的に癒されるのは「夜の街角」なのだ。
今度は雑踏に埋もれる環境に生きてみようかな・・・
これが常駐基地のある「涸沢カール」。 写真は8月中旬です。 なんたって9月の紅葉が有名です。沢山の方々から「白馬でえらい崩落事故があったみたいやけど大丈夫!?」とのメールをいただきましたが、あれは北部の事故なので管轄外で直接は関係ありません。 県警の方々は応援に行かれていますが、民間隊員に応援要請は出ていいませんし、実際僕のような素人を連れて行っても何の役にもたちませんしね。
穂高岳山荘の風景。 7月中旬はまだまだ残雪が多かったですね。 雪渓が横断が怖いの何の・・・さて、山の仕事について更新しましょう。
早朝の常駐基地。バックは奥穂高岳と吊り尾根です。右端の稜線(コル)にポツンと見えるのが「穂高岳山荘」と言っても、昔やっていた木こりや、本来やるつもりだった山小屋の事ではなく、今回働かしてもらってる「遭遇対策協会夏山常駐隊員」についてです。
4時起床後、掃除の後は朝のコーヒータイム。 6時の朝食までに前日の日報やら事故報告書などをまとめます。よく「山岳救助隊のレスキューのお仕事ですか?」と聞かれますが、正確には違います。
てか、「消防士」と「消防団員」の違いに近いのですが、一応県警の管轄なので、その中間ぐらいと考えてもらえればよいかな。
ベテラン隊員とパトロール風景。 南岳小屋と槍ヶ岳山荘から眺めた槍ヶ岳です。1日20kmちかくの行程が平均的なようです。しかし現場常駐隊員ですので、非常時では最初に最前線にいかねばならない立場にいるわけで、先日も女の子が雪渓から滑落したとの連絡が入り、ベテラン隊員達はバタバタと出動。
本来助かるわけもない現場だったが、奇跡的に100mほどの地点で引掛かったから大丈夫だったが、顔面裂傷と打撲ですんだ。
槍ヶ岳~東鎌尾根登山道整備の様子。 登山者の安全を考慮しなければなりません。 驚いたのは滑落地点まで歩いて30分はかかる所を、そこから傾斜70度ぐらいの雪渓があるのに、遭難者と接触したのが出動から15分後。
民間とはいえ、ベテラン隊員達の山男魂と実力を見せつけられたわけです。
みな里に降りれば、百姓であったり、会社員であったりするのだが、登山好きでここまでなれるものなのか。
槍沢に下り、上高地~涸沢パトロール。 やはり森の中は気持ちよいです。なにもない時は(事故とか)隊長が作った辛い青唐辛子を味噌で和わせたり漬物作ったり、登山客と談笑したりで平和な山仕事なのですが、事故がおきれば一転する現場です。
多い時には一日に三件もの事故がある。そんな時は「山から人が降ってくる」と言われるぐらい山は危ないのです。
出動要請がない日の風景は漬物を作ったり、辛子味噌を作ったりで平和なのです。結局、僕が下山するまで26件の遭難や事故がおきた。救助要請がでているものだけでこれである。
「雪笹」という山菜をおひたしにする。 これが旨かった・・・その内死亡者は7人。
山頂から150m滑落し、頭と両手両足を骨折した人。
大きな浮き石を抱いて転げ、その石で頭を潰した高校の引率の先生。
夕方落石にやられて滑落し、一晩雨にうたれて翌日発見され、天候の悪さで収容できず息を引取った人(発見当時意識はあったが、その後混濁し、人工呼吸中に死後硬直が始まっていたらしい)など…
なんにも出来ない僕も救助ではないが入山後二日目でヘリ出動した。
そんな現場でした。
「オコジョ」 カワユスですね。 しかし・・・ [終わった終わった~]の続きを読む
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- 2008/08/25(月) 11:46:56|
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